「近く」検索は昨年の2倍、2011年の34倍

「近く」などの場所に関する単語を含む検索が劇的に増加していることをGoogleが明らかにしました。また、こうした場所に関する検索の80%がモバイルからなされているとのことです。

場所に関する検索はコンバージョン率が高いことがわかっています。実際にモバイルで場所の検索を行ったユーザーの50%がその日のうちに店舗を訪れています。そして、18%のユーザーがなんらかの購入を行っています。

さらに興味深いことに、目的の場所に到達したユーザーは何を購入すべきかを検討するために新たな検索をする傾向があるようです。半数近いユーザーが食事に行く1時間前になってレストランの検索を始めます。2015年3月のGoogle Consumer Surveyによると若者の40%はレストランに行ってから何を食べるべきかの情報を検索しているようです。すなわち、場所に関する検索は購入を検討するための情報を得ようとしているよりは、購入プロセスの最終段階であるといえます。

こうしたことから、「近く」などの場所に関する検索は非常にコンバージョン率の高いキーワードとなっていると言えます。今後、ますますこうした場所に関する検索は増えていくと考えられます。場所に関するキーワードのSEOは怠らずにやっておくことが大切です。

【参照元】
Google Says “Near Me” Searches Have Doubled This Year
I-Want-to-Go Moments: From Search to Store

リアルタイム更新を目指す次回のペンギンアップデートは数ヶ月先

GoogleのWebmaster Trends AnalystであるGary Illyes がTwitter上でしばらくの間は次のペンギンアップデートはありそうにないことを示唆しています。

Garyは一般ユーザーの質問に答える形で次のペンギンアップデートは数ヶ月先だとtweetしています。

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現在ペンギンアルゴリズムは、webサイトの採点は自動で行っていますが採点を検索順位に反映することは一定期間毎に手動で行っています。ゆえに現在のペンギンアルゴリズムは一部自動、一部手動のアルゴリズムとなっています。このペンギンアルゴリズムのリアルタイムでの全自動化をGoogleは目指しています。

しかし、現時点ではそこまで至っておらず、Garyの発言は次回の手動によるペンギンアルゴリズムの更新、すなわち検索順位への反映が数ヶ月先になることを示しています。

以下は、ペンギンアップデートを時系列順にまとめたものです。
・Penguin1.0(2012/04/24)
・Penguin1.1(2012/05/26)
・Penguin1.2(2013/10/05)
・Penguin2.0(2013/05/22)
・Penguin2.1(2013/10/04)
・Penguin3.0(2014/10/17)

パンダアルゴリズムがコンテンツを評価するアルゴリズムであるのに対して、ペンギンアルゴリズムは被リンクを評価するアルゴリズムでした。Garyのtweetからペンギンアルゴリズムによって低評価を受けたwebサイトの改善が検索順位に反映されるチャンスが与えられるまではもう少し時間がかかりそうということがわかります。

質の高い被リンクやコンテンツを作り、来るべきアップデートに備えておきましょう。

【参照元】
Google Says Penguin Refresh Months Away From Happening

SEOの歴史と未来

検索エンジンやデバイスの進歩に伴い、種々のSEO施策にも隆盛がありました。過去のSEOのトレンドについて学んでおくことが今後のSEOを考えるうえで何らかのヒントになるかもしれません。そこで、簡単にSEOの過去のトレンドについて振り返ってみましょう。

◆SEO黎明期〜何でもありの時代〜(1991~2002)◆

1991年の8月6日にTim Berners-Leeが世界で最初のwebサイトをローンチしたのを皮切りに多くのwebサイトが作られてきました。webサイトがインターネット上で溢れるようになるにつれて、1993年頃に検索エンジンがwebサイトをキーワードに基づいて分類しはじめました。これによりユーザーは求めている情報に格段にアクセスしやすくなりました。その後、1994年にYahoo、1997年にはGoogleがこの分野に参入し、webサイトのデータをシンプルかつ効率的にインデックスする技術が発展していきました。

この時期におけるSEOは一言でいえば、「何でもあり」でした。過度なタグ付けや被リンクの設置、キーワードでページを埋め尽くすことがもっとも効果的な時代でした。

◆SEO初期〜良質な被リンクの時代〜(2003~2005)◆

この時期は、質の悪い被リンクやキーワードでwebページを埋め尽くす行為等にGoogleがペナルティを与え始めた時期です。さらにこの時期に検索エンジンはよりパーソナライズされていくことになります。具体的にはユーザーの検索履歴をもとに検索結果を最適化していく手法が採用されました。また、キーワードとともに地域名を入れると地域内の店舗等の情報が地図とともに表示されるGoogle Localを導入。それぞれのユーザーにあった良質な情報を検索エンジンが提供しようとし始めた時期となりました。

この時期のSEO担当者は「何でもあり」のSEOをやめ、良質な被リンクをいかに集めるかということに苦心することになりました。

◆SEO中期〜新しいメディアの時代〜(2006~2009)◆

この時期、GoogleはUniversal Searchという名でニュースや画像、動画などを検索結果に反映するようになりました。さらに2008年には文字を入力するたびに検索候補を絞り込んでいくGoogle Suggestが導入されました。

この時期のSEO担当者はテキスト情報だけでなく、画像や動画といった新しいメディアコンテンツを利用することによって、ユーザーの目に留まる機会を得ることができました。

◆SEO近代〜コンテンツの時代〜(2010~2012)◆

Googleの大規模な検索アルゴリズムのアップデートにより内容の薄いwebサイトや過度なSEO対策を行っているwebサイトが検索結果から排除されたり、大幅に検索順位を落とすことになりました。さらに、Googleは検索を行った際に、入力されたキーワードに関連する情報を検索結果の上部に表示することにしました。たとえば、「時間」というキーワードで検索すると現在の時間が検索結果の上部に表示されます。この結果、ユーザーは欲しい情報を入手するためにwebサイトを閲覧する必要が少なくなりました。また、この時期にはソーシャルメディアが急成長し、検索結果に影響を与える1つの大きな要因となりました。

この時期のSEO担当者は、価値のある情報を提供するだけでなく、その情報がユーザーにシェアされるようなコンテンツを作る必要がありました。

◆現在のSEO〜モバイルの時代〜(2013~2015)◆

現在はモバイルユーザーの劇的な増加によって、多くの検索がモバイルから行われています。モバイルからの検索はPCからの検索と2つの点で異なります。1つは、ディスプレイのサイズです。モバイルに最適化されたwebサイトでなければ検索エンジンからの評価を得ることは難しくなっています。2つ目はローカルな情報の利用です。モバイルの現在地情報を利用することによって、より地域に最適化された検索結果を検索エンジンはユーザーに返すことができます。

現在のSEO担当者は、質の高いコンテンツを作るだけでなくモバイルユーザーへ訴求するwebサイトを作ることが求められています。

◆未来のSEO◆

未来のSEOについて予想できることはほとんどありませんが、それでも確実に言えることがあります。ユーザーの利用状況にあわせて最も簡単な形で質の高いコンテンツを提供しなければならないということです。検索エンジンは、ユーザーに最適化された情報をより簡便な形で提供するように進歩しています。また、ユーザーは最小の努力で欲しい情報を手に入れたいと思っています。最近ではそもそも複雑な操作がしにくいウェアラブル端末も登場しました。

検索エンジン側からもデバイス側からも「より簡便で質の高いコンテンツ」の要請は続いていくと思われます。ですので、SEO担当者は、webサイトのコンテンツが質の高さやオリジナリティだけでなく、どこからでもアクセスできかつローカルやモバイルに最適化されているようにしましょう。音声検索にも対応させましょう。テキスト情報だけでなく、画像等のビジュアルな情報も利用しましょう。ユーザーフレンドリーなwebサイトを作ることがどの時代にも求められるSEO対策と言えます。

【参照元】
The Evolution Of SEO Trends Over 25 Years

被リンクの売買・相互リンクに対するGoogleの見解

Googleはwebサイトのコンテンツから自然発生的に生じる被リンクを自然リンクと定義して、検索順位を決定する際の重要な評価項目の1つとしています。一方で、検索順位を上げることを目的としてあたかも人気のwebサイトであるかのように見せかける目的で設置されたリンクを人工リンクと定義して、場合によってはペナルティの対象としています。
ではお金を払ってリンクを設置してもらったり、相互リンクや他サイトに被リンクを要求することはGoogleにどのように評価されるのでしょうか。

Googleの検索品質分析担当であるDiogo Botelhoによって書かれた記事には次のように書かれていました。

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上の文章が原文で、下の文章が英語に翻訳されたものです。
太字で書かれた部分に注目すると”do not buy, sell, exchange, or ask for links”と記載されています。
「被リンクを売買すること、相互リンクすること、被リンクの設置をすることを要求してはならない」ということです。
GoogleのWebmaster Trends AnalystであるJohn Muellerも2015年2月にこれらは不自然なリンクなので避けるべきだと発言しています。

これらに関してGoogleに確認をとったところ、問題となっている記事の太字部分は既に変更されているとのコメントが返ってきました。
変更された部分を英訳すると、

“do not buy, sell or ask for links that may violate our linking webmaster guidelines”

となっています。
「ガイドラインに反するような被リンクの売買、相互リンク、被リンク設置の要求はしてはならない」ということです。

このGoogleのコメントと変更された記事の内容から、ガイドラインに反しない適切なやり方を採れば被リンクを設置する要求などはペナルティの対象とはならないと考えられます。

かつては最も簡単で効果的なSEO対策と考えられていた被リンク対策ですが、検索エンジンの進歩によって安易に行うと逆効果となるリスクがあります。
被リンク対策を行う際は、Googleのガイドライン等にも目を通し、慎重に行うようにしましょう。

【参照元】
Google Clarifies: Asking For Links The Right Way Is OK

Googleで上位表示された場合のクリック率について③〜調査結果編〜

前回までの記事では、過去になされた検索順位とクリック率の関係についての調査の紹介と今回の調査の特色、手法を紹介しました。
前回までの記事はこちらからどうぞ。
Googleで上位表示された場合のクリック率について〜過去になされた調査編〜
Googleで上位表示された場合のクリック率について②〜調査手法編〜

今回は、いよいよ調査結果を紹介します。

◆全体的な結果

次のグラフは、PCからの検索による検索順位とクリック率の関係を描いたものです。

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このグラフはブランド検索や検索意図などでセグメント分けするまえのものです。平均的に、検索結果の最初のページに表示されたwebサイトが71.33%のクリック率であり、2ページ目と3ページ目のクリック率は5.59%です。また、最初のページのうちでは、1~5位のクリック率が67.60%であるのに対して、6~10位のクリック率はわずか3.73%です。

次にモバイルからの検索による検索順位とクリック率をPCからの検索によるものと比較してみましょう。

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最初の検索ページにおけるクリック率はモバイルからのほうがわずかに低いですが、2ページ目、3ページ目の検索ページではモバイルの方がPCからの検索よりも高くなっています。

◆ブランド検索の調査結果

検索ユーザーが特定のブランドについて検索する場合とそうでない場合でクリック率に違いはあるのでしょうか。下の図はブランド検索の場合とそうでない場合の検索順位とクリック率の関係を描いたグラフです。

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特定のブランドを検索した場合、そのブランドのwebサイトが最初に表示される場合が多いと考えられます。またブランド検索を行うユーザーはそのブランドに関する情報を探していることが多いと考えられるため、ブランドのwebサイトはユーザーが欲しい情報に合致します。そのため、ブランド検索の場合はそうでない場合と比べて検索順位が第1位のwebサイトに対するクリック率が高くなり、1位以外の順位のクリック率は低くなる傾向があるようです。

◆検索意図の調査結果

レストランの場所を知りたい場合や欲しいテレビのより安い値段を知りたい場合など、検索をするときは必ずなんらかの意図があります。一般的に、「テレビ 4K 購入」などの購入を意図した検索キーワードによる検索の場合は購入以外の意図による検索と比較して、最初に表示されるwebサイトがクリックされる傾向にあると考えられています。では、実際に検索意図によってクリック率に違いがあるのかを見てみましょう。

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上のグラフは「特定の意図による検索」と「それ以外の意図による検索」による検索順位とクリック率の関係を示したものです。特定の意図による検索とは、購入意図、情報を探す意図、場所を探す意図の3つをあわせたものです。それ以外の意図による検索とは、全ての検索キーワードから購入意図、情報を探す意図、場所を探す意図の検索キーワードを除外した場合のものです。

グラフから特定の意図による検索の場合の方が、第1位のwebサイトのクリック率が高いことがわかります。

次に特定の意図による検索を細分化してみましょう。

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上のグラフは、特定の意図による検索の構成要素である購入意図、情報を探す意図、場所を探す意図による検索をそれぞれ表示して比較したものです。

Googleの検索技術は検索意図を理解するように進歩しており、検索ユーザーは欲しい情報を手に入れるのに検索結果をクリックする必要がない場合もあります。たとえば、購入意図による検索の場合は、検索結果の上部に検索している商品画像が表示されます。同様に場所を探す意図による検索の場合は地図が表示されます。購入意図、場所を探す意図による検索が情報を探す意図による検索に比べて第1位のwebサイトのクリック率が低いのはこうしたGoogleの検索技術が背景にあると考えられます。

◆今回の調査結果の入手方法

以上が今回の調査結果の簡単なレビューです。今回の調査ではデータのセグメント分けを行うことによって検索タイプによって検索順位とクリック率の関係がどのように変化するかを分析してきました。下記のリンクで実際にセグメント毎による検索順位とクリック率の関係をグラフ化してみることができます。
http://www.advancedwebranking.com/ctrstudy/

また、より詳細な調査結果を手に入れたい場合は下記のリンクから入手してください。また、下記のリンクから今回の調査に用いたデータセットもダウンロードできます。ぜひ、自身の手で分析を行ってみてください。
http://www.advancedwebranking.com/google-ctr-study-2014.html

Googleで上位表示された場合のクリック率について〜過去になされた調査編〜
Googleで上位表示された場合のクリック率について②〜調査手法編〜

【参照元】
https://moz.com/blog/google-organic-click-through-rates-in-2014

Googleで上位表示された場合のクリック率について②〜調査手法編〜

前回の記事(Googleで上位表示された場合のクリック率について〜過去になされた調査編〜)では、Googleの検索順位とクリック率の関係を調べた調査を紹介しました。この記事では、今回の調査の方法と特色をお伝えします。

◆なぜ新たに調査をする必要があるか◆

Googleの検索順位とクリック率の関係を調べた調査は既にあるにも関わらず、なぜわざわざ新たに調査する必要があるのでしょうか。
第一にGoogleの検索エンジンは日進月歩で改善されており、以前の調査の結果を鵜呑みにすることはできないからです。くわえて、以下のような点で今回の調査には以前の調査にはない特色があります。

・セグメンテーション
検索の種類によってクリック率がどのように変化するかを明らかにするために検索クエリをセグメント分けした調査を行いました。たとえば、産業、検索意図、単語数、ブランド検索かどうかで検索キーワードを分類しました。

・正確さ
Googleの検索順位とクリック率の正確な関係を把握するために、今回の調査では5000のwebサイトから465000個のキーワードをウェブマスターツールを用いて取得しました。

・透明性
今回の調査はできる限り透明性を確保するように行いました。そのため、どのようにして調査結果に至ったかを誰もが理解できるように全ての調査プロセスを明示しました。さらに、今回の調査に用いたデータセットを提供することにしました。そのため、誰もが自身の手で同様の分析を行うことができます。ただし、データを提供してくれた企業に配慮して検索キーワード名は変更しています。

以上の点が今回の調査の必要性でもあり、特色でもあります。

◆今回の調査のプロセス◆

次に今回の調査のプロセスを説明します。ぜひ同様の調査を自身の手でも行ってみてください。

1. ウェブマスターツールから平均検索クエリのデータをダウンロード

ウェブマスターツールから平均検索クエリのデータをフィルターを「web」に切り替えてダウンロードします。このダウンロードしたデータはモバイル以外からの検索トラフィックのデータとなっています。今回の調査では、少なくとも月に50回以上のインプレッションがあったキーワードだけを用いています。

次にフィルターをmobileに変えて、平均検索クエリデータをダウンロードします。

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2.ウェブマスターツールから検索クエリの検索順位毎のクリック率データをダウンロード
ウェブマスターツールの検索クエリ表でそれぞれのキーワードをクリックすると、次のようなレポートが表示されます。

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このレポートは検索順位とクリック率のデータを提供してくれています。このデータをダウンロードします。

3. 2でダウンロードしたデータから使わないデータを除外する
2でダウンロードしたデータから月に500インプレッション未満のデータを除外します。また、それぞれの検索順位で10未満のインプレッションのものも除外します。

4.検索クエリをブランド検索、検索意図、単語数に応じてカテゴリー分けする

検索キーワードがブランド検索かどうかでどのようにクリック率が変化するかを調査するためにブランド検索とそれ以外の検索でセグメント分けします。一般的に、特定のブランドを検索するとそのブランドのwebページが最初に表示され、クリックされると考えられています。今回の調査では、ブランド検索を「webサイトのドメイン名が含まれた検索」と定義しました。

同様に、検索を行う場合には商品を購入したいのか、それともなんらかの情報を探しているのかといった検索意図によってクリック率は異なると考えられるため、検索意図によるカテゴライズを行います。検索意図は次の3つに分類しました。

・情報の検索
レストラン、ホテル、ニュース、どうやって、誰、どこ、なに、いつ、天気、時間などが含まれる検索

・商品購入
買う、購入、オーダー、お店、安い、最安、高い、値段などが含まれる検索

・場所の検索
近く、駅、空港、地図、道などが含まれる検索

また、単語数による検索キーワードのセグメント分けも行いました。

◆今回の調査における仮定と限界◆
今回の調査で用いたデータは様々な産業、企業のデータではありますが、いくぶんか偏りがあります。そのため、企業が所属している産業によっては今回の調査結果とは異なった検索順位とクリック率の結果が出てしまう可能性があります。

また、2014年7月の1ヶ月間に計測されたデータを使用していますので、今回の調査結果は月や季節による変動を予測するのには役立ちません。

次回の記事はいよいよ今回の調査の結果をお伝えします。

Googleで上位表示された場合のクリック率について〜過去になされた調査編〜
Googleで上位表示された場合のクリック率について③〜調査結果編〜

【参照元】
https://moz.com/blog/google-organic-click-through-rates-in-2014

Googleで上位表示された場合のクリック率について〜過去になされた調査編〜

webサイトへの検索トラフィックを増やすために多くのSEO施策がなされるようになってきました。しかし、上位にwebページが表示されると実際にどのくらい検索トラフィックが増えるのでしょうか。

そこで、googleウェブマスターツールのデータを用いて、検索順位で上位表示を獲得すると実際にどれくらいトラフィックが増えるのか、クリック率を調査することにしました。

調査の結果、大変興味深い結果が得られました。

◆クリック率に関する以前の調査◆
今回の調査結果に行く前にクリック率に関する過去の調査について学んでおきましょう。
クリック率に関する調査は過去に何度もなされてきました。最初の調査は2006年に50万人以上のユーザーを対象になされたAOL 2006です。この調査を皮切りにクリック率に関して数多くの調査がなされてきました。
以下が過去の調査におけるクリック率と検索順位の関係をまとめたものです。

『過去の調査におけるクリック率と検索順位の関係』
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次が各調査で用いられた手法をまとめたものです。

『各調査で用いられた手法』
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各調査における「クリック率」の代表的な定義は次のようになります。

Optifyでは、「各順位のwebサイトをクリックしたユーザー数」を「上位20位までのwebサイトをクリックしたユーザー数」で割ったものをクリック率と定義しています。上位20位までのwebサイトをクリックしたユーザー数が100人で、1位のwebサイトをクリックしたユーザー数が20人であれば検索順位1位のクリック率は20%ということになります。
Slingshot SEO studyではクリック率を「ある検索キーワードによるwebサイトの訪問者数」を「総検索回数」で割ったものと定義しています。もしAというキーワードが100回検索されたとして、webサイトにAというキーワードでの検索流入が10回あればクリック率は10%ということになります。
Catalyst studyでは、クリック率はクリックにつながったインプレッションの割合と定義されます。これはwebマスターツールにおけるクリック率と同様のものです。

今回の調査ではwebマスターツールのデータを使用するので、クリック率の定義はCatalystの用いたものと同様になります。

過去の調査の結果を見ると、その手法によってクリック率が大きく異なることがわかります。
次の記事では、なぜ新たにクリック率について調査する必要があるのか、今回の調査ではどのような手法を用いるのかについてお届けします。

Googleで上位表示された場合のクリック率について②〜調査手法編〜
Googleで上位表示された場合のクリック率について③〜調査結果編〜

【参照元】
Google Organic Click-Through Rates in 2014